生まれたての頃の愛娘を振り返る。 【後編】 143日/7300日


昨日書いていた、奥さんの出産に立ち会った時の話の続きを、
書いてゆこうと思います。

前記事を読まれていない方は、【前編】からお読みいただいた方が、
流れが分かると思います。
 ↓ ↓ ↓
『 生まれたての頃の愛娘を振り返る。【前編】 』

続きに入る前に、奥さんのネット上のハンドルネームがあり、
それは panchi(パンチ)と言います。

本文中でパンチと言っているのは、奥さんの名前で呼んでいる時です。

では続きに入って行きます・・・。


助産師 『 ご主人どうぞー。 』

最終準備の為、一旦分娩室から出されていた私は、
助産師に呼ばれて、また分娩室へ。

助産師 『 ご主人はこちらに・・・お願いできますか? 』


そう言われながら、奥さんが横になっている分娩台の右側に案内される。

助産師 『 ご主人様、いいですか。
      奥様がいきむ時に頭を上げて、ご自分のへそを見るように、
      首を曲げて貰います。

      その際に、ご主人には枕を持って奥様の頭を、
      後ろから支えて頂きたいのです。 』


そう説明した助産師は、出産にメインで携わるようで、
唯一出血に備えて着替えていました。

その姿と話し方が先ほどまでとは違い、
分娩室に少し緊張感が漂ってきました。

その指示通りに私は奥さんの右側に立つ。
明らかに奥さんの呼吸は荒くなってきている・・・。

無痛分娩の麻酔は効いているのだろうか?

そう思えるくらい陣痛の痛みが増してきたようだった。

助産師 『 奥さん、少し・・・いきんでみましょうか。 』

本来いきむのは、子宮口が全開大(10cm)まで開いてから、
始める様なのですが、現在の奥さんの状態は9cmを越えたくらい。

どうやらいきむことで、子宮口を全開大にしようと、
考えているようでした。

そのいきむタイミングをはかるのが・・・
陣痛の強弱.png

この機械の数値で、周りの人でも奥さんのお腹の張りが分かるのです。
お腹の張りが強くなってきたら、奥さんはいきむので私は応援してました。

午後1:30くらいから、いよいよ出産が始まろうとした時に、
先程了承していた看護学生2人と、引率の人が分娩室へ入ってきました。

そして看護学生たちは奥さんの左側へ立ち、

学生A 『 頑張ってください!! 』
学生B 『 応援してます!! 』

と一言ずつ奥さんに言っていましたが、奥さんはとりあえず愛想笑い。
もう余裕が無くなってきている感じでした。

助産師 『 お腹が張ってきたら、体を丸める感じで、
      自分のおへそ辺りを見ながら、いきんで下さいね!

      最初は大きく息を吐いて、それから出来るだけ息を吸い込んで、
      息を止めて、いきんで下さい!! 』


だんだんお腹の張りを示す数値が上がってきました。

私  『 お腹・・・張ってきた・・・? 』
奥さん『 うん・・・ふぅぅぅぅ・・・はぁぁぁぁぁ・・・、んんん!!! 』

奥さんは先程助産師に言われた通り、呼吸を吐いて吸って止めていきむ!
私も言われた通り枕を持って、奥さんの頭を後ろから支えながら声をかける!

私  『 パンチ!! 頑張れ!! 頑張れ!! 』
助産師『 いいですよー!! 上手です!! もう少し頑張って!!! 』

この いきむ という行為。

相当体力を消費するように感じました。
前駆陣痛が始まってから、ほとんど寝れなくて体力が消耗している奥さん。
ここが最後の踏ん張り時なのでしょうが、本当に辛そうでした。

出産関連本を妊娠中に奥さんと見ていたのですが、
その中のアンケートで、出産に立ち会ったご主人への質問で、
一番大変だったことは? という問いに・・・

” 妻が苦しむ姿を見続けること。 ”

という回答がありましたが、これは本当にそうでした。
うちの奥さんは無痛分娩だったので、通常分娩の方よりも、
楽だったのかもしれませんが、それでも苦しむ奥さんの姿を見ていて、
何もできない状況は、本当に辛かったですね・・・。

” 早く奥さんを解放してくれ!! ”

そんなことばかりを、私は考えていました。
本当にそれくらい大変そうに見えるのです。

奥さん『 はぁ・・・はぁ・・・んん・・・。はぁ・・・はぁ・・。 』
助産師『 大丈夫ですか? 痛み・・・出てますか? 』
奥さん『 はい・・・痛いです・・。』
助産師『麻酔科の先生読んで下さい!! 』

メインの助産師とサポートをする助産師2名がバタバタと動いている。
その間に、またお腹の張りの数値が上昇する。

奥さん『 いぃっっっっ・・・んんん・・・。 』

どんどん痛みが強くなってきて、奥さんの呼吸が乱れてくる。
このままでは過呼吸とかの心配が出てきてしまう!!
早く麻酔を!!

と、思ていると麻酔科の先生が来て・・・

麻酔科医『 大丈夫かい? これからが勝負なんだからねー!!
      子宮口が全開になってからが、大切なんだからね!! 』


そうだった・・・まだ奥さんの子宮口は全開になってない(汗)
子宮口が全開にならないと、赤ちゃんが出て来れないようなのだ。

追加の麻酔投与が終わり、麻酔が効いてきた頃・・・

助産師『 増やして下さい。 』

そう言われてサポートをしている助産師が、陣痛促進剤の投与量を増やす。
この投与量を増やすことで、奥さんのお腹の張りが強くなり陣痛が起こるのだ。

そう・・・つまり奥さんに痛みが襲ってくるのだ。

奥さん『 ぁあああぁぁぁぁぁ!! ・・・くぅぅ・・・。 』

明らかに麻酔は効いているはずなのに、痛みが増してきて、
麻酔で抑えている以上の痛みがあるようだ。

これで無痛分娩にしていなかったら、いったいどうなっていたんだろう・・・。
やはり通常分娩だったら、奥さんはヤバかったかも・・・。
そんなことを考えつつ、奥さんを励ます。

私  『 頑張れ!! パンチ!! 頑張れっ!! 』


陣痛促進剤の投与量を増やしたことで、強い陣痛の波が奥さんを襲う。

助産師『 子宮口 大!! 』
サポート『 子宮口 大・・・。 』

サポートの助産師が、時間をメモっているようだった。

助産師『 いいですか? 頑張っていきんで下さいね!
     なるべく長く息を止めて、いきむことが大切です!! 』

奥さん『 は・・・はぃ・・・。 』


数回にわたっていきみ続ける奥さん・・・。
どんどん痛みが強くなっている状態で、苦しみながらもいきむ・・・。

奥さん『 ふぅぅぅぅぅ・・・、はぁ・・・はぁ・・・すぅぅぅぅ、んんん・・・!! 』
私  『 頑張れ!! もう少しだよ!! パンチ!! 頑張れ!! 』
助産師『 頑張ってください!! 一番大きな所がもう少しで出てきます!!
     引っかかってる感じでなんです!! 』


そう言いながらメインの助産師がサポート助産師に指示を出す。

助産師『 I先生は? うん・・・じゃぁK先生は? 』
サポート『I先生は外来で・・・、K先生は処置が終わったら来られると・・・。』

メインの助産師の表情が冴えない。
何か重たい空気が漂っている・・・。

初めて分娩に立ち会った私でも分かるくらい、
” 現状のままだと出産が出来ない ” ということ・・・。

何回いきみ続けたとしても、おそらく赤ちゃんの頭とか肩などが、
産道に引っかかって出て来れないのだ・・・。

サポート『 促進剤・・・もう・・・。 』

助産師『 うん・・・もうあと一段階しか上げられない・・・。 』

これ以上陣痛促進剤を投与したとしても、産道から出て来れない状態では、
むしろ母体である奥さんに無理がかかるだけ・・・。

おそらく対応策として考えられるのは、帝王切開か一部切開することで、
あかちゃんの頭を出すこと。

しかしその処置をするには医師でなければならないのだが、
すぐに医師が来れない状況のようだった。


奥さん『 痛い・・・麻酔が・・・切れてきてる・・・。 』
助産師『 ・・・分かりました、追加しましょう、先生読んで下さい! 』

そして先ほど奥さんを励ましてくれた麻酔科医が来て、

麻酔科医『 頑張ってよー! もう少しだよ!!
      ちゃんと産めるように教えてあげなよ!! 』


奥さんに追加の麻酔を投与しながら、助産師たちに激を飛ばす麻酔科医。
しかしメインの助産師の表情は暗いままだ・・・。

後で奥さんとこの時のことを話したのだが、
奥さんも同じように感じていたらしい・・・。

” このメインの助産師は万策尽きて、医師待ちだったんだろう ” と。


【A8.net広告】



1時間くらいの間同じように奥さんは苦しみながらいきみ続けたが、
一向に出産が進んでいるようには思えない・・・。

助産師『 頑張ってください!! 一番大きな所がもう少しで・・・
     もう少しで出てくるんですが、引っかかってる感じで・・・。 』


ずっとこの言葉だ。
おそらく1時間前から状況は変わっていないだろう・・・。

検診時に、頭がちょっと大きいかな・・・と、
医師に言われていたことが頭をかすめた。
もしかしてその頭が通らなくて、引っかかっているのだろうか?

いずれにしても、このままでは奥さんの体力がどんどん奪われてゆく・・・。
さらに時間がかかり過ぎている影響か、強い陣痛が来なくなってきている・・・。

助産師『 上げて下さい!! 』
サポート『 これで・・・。 』
黙って頷くメインの助産師。

陣痛促進剤もこれでMAXまで使用した。
これでダメなら、帝王切開になるのだろうか?

そんなことが頭の中に浮かびながら、奥さんの手を握って、
励まし続ける・・・。

そして投与された陣痛促進剤によって強い陣痛が起こる・・・

が!! ここで恐れていたことが起きる!!

この時点で既にPM3:00を回ろうとしていて、かれこれ1時間半近くも、
ずっといきみ続けてきた奥さんの体力が尽きかけているのだ!!

奥さん『 ダメっ・・・力が・・・力が入らない・・・いたいっ!! 』

もう何十回いきみ続けてきたんだろう・・・。
凄い体力を使う上に、麻酔で痛みを緩和している代わりに、
お腹や足に力をしっかりと伝えられない感じもあるようだった。

奥さん『 いたぃ・・・うぅぅぅ・・・いぃぃ・・・っっ!! 』
麻酔で抑えている以上の痛みが奥さんを襲う。

助産師『 いいですか? お腹の張りに合わせて2回いきんで下さい!!
     2回目が大事ですよ!! 』


奥さん『 ううぅぅうあぁッッ・・・!!! 』

最後の力を振り絞って、いきみ続ける奥さん・・・。
本当に・・・本当に早くこの苦しみからパンチを解放してやってくれ!!
早く赤ちゃんよ!! 出てきてくれ!!


私  『 頑張れっ!! 頑張れっ!!! 頑張れッッッ!!! 』
助産師『 一番大きな所が・・・もう少しなのに・・・ 』

悔しそうにつぶやくメインの助産師。
しかし残念ながら、もうこのままでは産めないと言うのが分かった。


I医師『 どれどれ・・・。 』 
そう言いながら、やっと医師が現れた!!

奥さん『 ぁぁぁぁあああっぁあぁ!!! 』
ほとんど悲鳴のような叫び・・・。

I医師『 これは狭い! 狭いよ!!
    産道が狭いから出て来れないんだよ!! 』


やはり助産師では対応できる状況では無かったようでした。
しかし、何らかの理由で医師の到着が遅れたのでしょう・・・。

I医師『 あのね、産道が狭いから少し切開して、
    あの機械で吸って出してみるからね!
    それでダメなら、緊急帝王切開になるからね! 』


I医師の判断と処置はとても速かった。

K医師『 どうだい? 』
ここで最後の検診を行い、無痛分娩などの相談をした医師が登場。

I医師『 切開して吸ってみます。それでダメな時はお願いします。 』
K医師『 分かったよ。乗るかい? 』
I医師は頷きながら、バキュームの機械を用意する。

奥さん『 いたいぃぃぃぃぃぃぃ!!!!! 』
医師が狭いと言っていた産道に、バキュームの吸い口を入れようとして、
かなりの痛みが奥さんを襲ったようだった。

奥さんの後日談では、この時はもう麻酔が切れていたのでは?
と、思うほど痛かったと言ってました。


やっとバキュームの吸い口のセットが出来て、
吸引をすると思ったら、K医師が小さな階段のようなモノを登って、
分娩台に横になっている奥さんの腹部を強く押し出した!!?


奥さん『 いたいぃぃぃぃ!!!!! 』

乗ると言っていた意味が、ここでやっと分かった。

原理としては理解出来る。
すでに体力が尽きてしまった奥さんは、すでに踏ん張りが効かないので、
腹部を強く圧迫する事で胎児を押し出そうとしたのだ。

しかし突然自分の奥さんの大きなお腹の上に、
体格の良い医師が乗りかかったら驚くし、何が起きたか一瞬分からなくなった。

その光景は、妊娠中にずっと守ってきたお腹を押し潰そうとしているように見えて、
瞬間的に恐怖感が出るほど怖い光景だった。


奥さん『 あああああぁあぁぁっぁ!!! 』

今までで一番大きな叫び声を上げる奥さん!!

I医師『 良し!! きたぁぁ!!! 』
助産師『 生まれましたよ!!!!! 』

愛娘 『 おぎゃぁ!! おぎゃぁ!! おぎゃぁ!! 』

I医師に抱き上げられた全身に血が付いているけど、
元気に泣き声を上げる愛娘の姿がありました!!

私  『 パンチ!! パンチ!!! パンチ!!!!!
     良かった!!! 生まれたよ!!! 終わったよ!!!
     おめでとう!!! 生まれたよ!!!!! 』


私は生まれてきてくれた我が子よりも、
正直目の前で、やっと苦しみから解放された奥さんを見て、
抱きしめながら思わず泣いてしまいました。

勿論愛娘いちごが無事に産まれてくれたことの感動と喜びにも涙したのですが、
それ以上に悲鳴を上げながら、必死に痛みに耐えて、最後まで産もうと、
頑張り続けてくれた奥さんが無事に出産を終えられた事が、本当に嬉しかったのです。

妊娠中から色々な不安がありましたが、負けないように一緒に闘ってきて、
その努力が本日やっと報われた気がしたのです。

本当に奥さんが無事で良かった!!!
その想いが何より強かったのです。

奥さん『 生まれたよ・・・生まれた・・・。 』

半ば放心状態の奥さん。
でも奥さんは生まれてきてくれた我が子を見て、本当に嬉しそうでした。

助産師『 これから奥様の処置などをしますので、ご主人は外でお待ちください。
     少し時間がかかりますので、連絡されたい所などがありましたら、
     してきてはいかがですか? 』
 


そう言われながら、私は分娩室の外へ。
愛娘が生まれて事の感動と、奥さんが無事に出産を終えられた事による安堵感。

ちょっと放心状態に近い感じでしたが、すぐに兄や父にメールで出産報告。
そして自然と顔がにやけている自分が居ました(笑)

嬉しかった。 本当に嬉しかった。

2度の繋留流産を経験し、精神的にかなり辛かった奥さん。
ずっと欲しがっていた子供を、奥さんに産ませたかったし、
産んで欲しかった。

そう願い続けてきた2年間。
やっとその願いが叶ったのだ!!

本当に無事産まれてきてくれてありがとう!!
私達夫婦の所を選んで、生れてきてくれてありがとう!!


そんな想いが体中に溢れていました。

そして分娩室の前で待っていると、助産師に連れられて、
新生児室へ向かう愛娘が!!

愛娘 『 おぎゃぁ!! おぎゃぁ!! おぎゃぁ!! 』
少しか細い感じはありましたが、泣き続ける愛娘いちご。

助産師『 お父さん!! 声かけてあげて!! 』

そう言われ、奥さんのお腹の中で居る時から、ずっと名前を決めて、
呼び続けていたので、その名前で呼びかけてみたのです。

私  『 いちご!! いちご!! 』
愛娘 『 おぎゃぁ!! おぎゃぁ・・・ 』
生まれたて (210x300).jpg

私  『 あぁ!! 泣き止んだ!! 分かるのかな、この声!?
     いちご!! いちご!! パパだよ!! 』


愛娘 『 おぎゃぁ!! おぎゃぁ!! 』

一瞬でしたが、本当に名前を呼んだ瞬間、泣き止んだのです!
妊娠5カ月から胎教の一環として毎晩読み聞かせをして、名前も呼び続けてきたので、
もしかしたら分かってくれたのかな・・・?

なんて思っていましたが、音に反応しただけかもしれませんね(笑)
それでもあの一瞬の愛娘の表情は忘れられません。

『 ん? この声・・・? 』

みたいな感じだったので(笑)


この後、処置が終わって分娩室に入れた私は、
本当に無事に出産を終えられた事を喜び、
感謝の気持ちを奥さんに伝えました。

奥さんは本当に疲れていたと思いますが、出産の喜びで、
少しテンションが上がったままでした(笑)

しかし体力の限界までいきんだのと、57時間以上も陣痛の為に、
満足に眠れなかったことから、この後分娩台の上で寝てしまいました。

私はその奥さんの寝顔を見ながら、何とも言えない幸福感でいっぱいでした。


長くなりましたが、これが愛娘が生まれた時の想い出で、
一生忘れることが無い1日でした。

今思い返しても、本当に奥さんは頑張ってくれたと思います。
そしてそれと同時に、狭い産道で頑張り続けてくれた愛娘いちご。

この2人が、私の人生に更に喜びを与えてくれました。
これからもこの2人と一緒に幸せに暮らせるように、頑張りたいと思います。


長くなってしまいましたが、最後まで読んで頂いた方がいましたら、
本当にありがとうございます♪

ちなみに、生れて2日目に撮影した愛娘(笑)
150609_173247 (300x400).jpg

ランキングに参加しているので、良かったらポチお願いします♪

にほんブログ村
スポンサーリンク






この記事へのコメント

スポンサーリンク